仕事でできることは増えている。安定した給与もありがたい。それでも、「このまま今の働き方だけを続けていいのだろうか」と考えることはありませんか。
僕も、仕事が嫌だというわけではないですが、時間や住む場所、何に取り組むかを、将来どこまで自分で選べるのかに疑問を持っていました。その問いを考える入口として読んだのが、今回ご紹介する『マルクス自身の手による 資本論入門』です。
この記事で整理できること
「もっと自由がほしい」を、時間・場所・働き方・収入・専門性の5つに分けて考えます。僕の読書とブログ運営の実験を材料に、あなたが変えたい領域を一つ言葉にすることを目指します。
本の説明と、僕が自分の会社員生活に重ねた解釈を分けて書きます。原著全体の解説ではなく、一冊を読んで何を考え、何を試しているかという読書体験です。
★本記事の内容
- 働き方の構造を考えてみる
- 自分で人生設計できる項目は?
- 事業を持つ考え方
読んだのは『マルクス自身の手による 資本論入門』

原著『資本論』は分量が多いと感じたので、まず考え方に触れる入口として、この本を読みました。
知りたかったのは、サラリーマンとして働くと、時間・場所・働き方・収入を自分で設計しにくく感じるのはなぜか、ということです。
ヨハン・モスト原著/カール・マルクス加筆・改訂/大谷禎之介訳、大月書店。ISBN978-4-272-11114-5
書籍の背景
モストの『資本と労働』をマルクスが改訂し、その第二版を基礎とした本です。現代の第三者がまとめた要約本とは成立の仕方が異なります。
成立経緯と目次は版元ドットコムの書誌紹介で確認できます。
GOAL|安定を大切にしながら、自分で選べる範囲を広げたい

学生時代は、事業には大きな資本が必要だと思っていた
学生時代、ある経営者が『資本論』を紹介する中で、「お勤めは最終手段」という趣旨の話を聞いた記憶があります。※これはその人の話についての僕の記憶で、マルクスの言葉や本の記述として紹介するものではありません。
当時は「資本を持つ側のほうが有利なのではないか。できれば自分もそちら側になりたい」と感じました。一方で、学生の自分には資金がなく、起業には大きな資本やリスクが必要だと思っていました。
そこで世間一般的な普通の就職活動をし、企業に就職しました。
働き始めて気になったのは、忙しさより選べる範囲
大学院時代も忙しかったので、生活の忙しさだけなら社会人になって楽になった面もあります。それでも、自分だけでは決められない条件が気になるようになりました。
| 領域 | 気になったこと |
|---|---|
| 時間 | 友人も会社の時間軸で暮らしている。自分だけ予定を空けても、会えるとは限らない。 |
| 場所 | 配属などで暮らす地域が決まり、自分だけでは選び切れない。 |
| 働き方・収入 | 安定した給与は嬉しい。一方、短期的な仕事量や工夫が、そのまま給与や自由時間に返ってくるわけではない。 |
| 専門性 | 担当の仕事はできるようになる。その一方で、担当の外まで自分で考え、動かせる経験も持ちたい。 |
会社員だから得られる経験や専門性、組織だからできる仕事には価値を感じています。今の仕事をやめたいという話から出発したわけではありません。
僕が考えたいのは、仕事を続けながら、一つの勤務先だけに生活全体を依存しなくてもよい状態へ近づけるかということです。
「何を変えたいか」の前に、「そもそもどんな人生にしたいか」が曖昧なら、『7つの習慣』を社会人になって読み直した記録も、その問いを考えるきっかけになると思います。この記事だけでも、次の整理はできます。

協業・分業を読んで、専門性と仕事の全体を考えた
特に印象に残ったのは、僕の所有本でP.79以降にある協業・分業の部分でした。複数人が仕事を分け、それぞれの作業に特化することで生産性が上がる。その構造に、自分の働き方を重ねました。ここは僕の読書時の受け取り方です。
関連する原著の説明|協業と分業
『資本論』第一巻の関連章では、複数人で働くことで生まれる生産力や、工程を分けて担当を専門化する仕組みが論じられています。また、工場内の分業では、特定の作業への熟練と、働く人が工程全体から切り離されることが併せて扱われます。
この整理は、原著の協業の章と分業・マニュファクチュアの章(英訳)を参照したものです。ここで扱われる歴史的な生産の仕組みを、現代のあらゆる職業にそのまま当てはめることはできません。
僕が感じたこと:担当領域では確かにスキルアップしている。でも、自分が提供できる仕事も、その担当範囲に寄っていくのではないか。できることが増えている感覚と、自分が扱える範囲が限定されるかもしれない感覚が同時にあり、正直少し怖さを感じました。
労働者は自分ができることを労働力として提供することで、その対価を収入として得ています。私は専門性のスキルアップは提供できる質は上がるものの、自分が売れる労働力がそれに特化していき、依存してしまうのではないかと疑問に持ったのです。

これは、専門職になると必ずできることが狭まる、という結論ではありません。担当を深めた経験が別の場面でも役立つことはあるはずです。僕自身の問いとして残ったのは、専門性を高めながら、自分で人生全体を設計する経験も持てないかということでした。
HYPOTHESIS|仕事の専門性と、人生全体を設計する経験を両方持てないか
ここからは僕の解釈:働く時間を増やしたり、スキルを高めたりするだけで、自分が望む自由にも近づけるのだろうか。収入を得る仕組みや、仕事の決め方も考える必要があるのではないかと思いました。
自分の労働時間や能力の提供に収入が強く依存しているなら、それを提供し続ける必要があります。ただ、給与は単純な時間比例ではないし、休暇中にも支払われる場合があります。「働いていない瞬間は収入がない」という意味ではなく、長い目で見て何に収入を依存させるか、という問いです。
また、自分の能力が仕事として評価されるかは、企業や相手が必要としていることにも関わります。ここでいう「評価」や「提供できる仕事」は日常的な意味で、マルクス経済学の「価値」を説明しているわけではありません。
だから、今の仕事で専門性を深めることに加えて、会社の外では自分で何を作るか決め、相手に届け、反応を見て直す経験を持ってみたい。これが僕の仮説です。
会社員を続けることと、社外で選択肢を考えることは、両立させたいと思っています。
ACTION|受け入れられる規模で、小さな事業を試す
以前は、起業と聞くだけで大きな資本やリスクを想像していました。でも、サーバー代などの比較的小さな投資で始められるオンライン事業もあると知り、「失敗しても学習費として受け入れられる規模なら試せる」と考えるようになりました。
小さな資本でオンライン事業を試し、現在はLadder for Lifeを運営しています。読書だけがすべてのきっかけだったというより、以前からの関心や働き始めて感じた問いを、本に照らして考えた流れです。
実際に何を始めたのかが気になる方へ、WebスキルゼロからChatGPTを使ってブログを開設し、1記事を公開するまでの記録をまとめています。開設の具体例で、事業収益や継続負担の検証結果ではありません。

ブログでも分業する。それでも全体の判断は自分で持つ
このブログでも、AIを役割ごとに分けて使っています。市場調査、記事の構造設計、本文制作、UX、分析、収益の検討と、仕事を分けて進める運営です。
分業の利点を自分も使っているからこそ、分業そのものを否定したいわけではありません。一つひとつの作業をすべて一人で抱えることと、全体の方針を自分で判断することは別です。
誰の課題を扱うか。今は記事を増やすか、集客を優先するか。どの反応を見て、何を直すか。AIに役割を分けながら、こうした判断と、公開する内容の確認は自分で持つようにしています。
RESULT|収益はまだ未達。それでも全体を設計する経験はしている
現時点の結果
Ladder for Lifeから、意味のある事業収益はまだ出ていません。ブログで生活できる状態でも、複数の収入源が完成した状態でもありません。
一方で、事業の方針を考え、テーマを選び、記事を作り、導線や計測を整え、改善を判断する経験はしています。会社の担当業務とは違う、自分で全体を設計し、結果に責任を持つ感覚があります。
今のところ得られたのは、その経験です。自由な時間や収入が増えた成果としては扱えません。記事を作るにも修正するにも時間がかかり、費用もあります。ブログを持てば働かずに収入が入る、という実験ではありません。
将来、事業収入が本業収入を上回り、継続性も確認できれば、会社員を辞めることが僕の選択肢に入るかもしれません。ただ、それはまだ先の判断です。今は会社員の安定や専門性を大切にしながら、別の選択肢を作れるか試しています。
あなたが変えたいのは、働き方のどの部分か
僕はブログを選びましたが、同じことを始める必要はありません。「もっと自由がほしい」の中身が違えば、次の一歩も変わります。まず、次の5つから気になるものを一つ選んでみてください。
| 領域 | 自分への問い |
|---|---|
| 時間 | 何のための時間を増やしたい?休む時間、友人と会う時間、学ぶ時間のどれだろう? |
| 場所 | どこで暮らしたい?住む地域、通勤、働く場所のどの条件が気になる? |
| 働き方 | 仕事の進め方、関わる相手、担当するテーマのどれを自分で選びたい? |
| 収入 | 増やしたいのか、安定させたいのか、一つの収入源への依存を減らしたいのか? |
| 専門性・仕事の範囲 | 今の分野を深めたい?それとも、企画から届けるところまで経験してみたい? |
ポイントはどこか心の中で無理だと制限をかけていた目標や憧れ、夢を書き出してみることです。
もしかしたら働き方の構造を考えると、その制限や既成概念はひょいと外れることもあるかもしれません。
選んだら、「今の仕事や生活で工夫できること」と「会社の外で試したいこと」を分けます。これは本に書かれた手順ではなく、僕の体験から作った整理の方法です。
読者への問い|書き出すための例
「専門性を深めながら、仕事の全体も経験したい」なら、今の仕事では担当の前後の工程を知る。社外では、小さな制作を企画から完成までやってみる。お金をかけずに調べるだけでも、一歩にできます。
時間を増やしたいなら、予定を一つ減らすことが答えになるかもしれません。今の仕事の良さを確かめたいなら、続ける理由を書いてもいい。疲れているなら、今は行動を増やさず、休んでから考える選択もあります。
この本を自分でも読んでみたい人へ
僕は、協業・分業の話を自分の仕事に重ねて読むことで、「担当の仕事を深めること」と「全体を自分で設計すること」を考えるようになりました。このあたりを本の議論に立ち返って考えたいなら、読んでみる価値があると思います。
原著『資本論』へ進む前に、その考え方に触れてみたい人にも、入口の一冊になると思います。ただし、すぐ稼ぐ方法や副業の始め方、投資の手順を教えてくれる本としては選んでいません。
僕が読んだ本はこちらです。買うかどうかは、今の自分の問いに合うかで選んでもらえたらと思います。
✓今回ご紹介した本はこちら
広告・PR|以下はアフィリエイトの商品リンクです。
Amazonのアソシエイトとして、Ladder for Lifeは適格販売により収入を得ています。
NEXT LADDER|選べる範囲を広げたい領域を、一つ書く
今日の一歩は、本を買うことでも、仕事を変えることでもありません。まずは、次の一文を自分の言葉で埋めてみてください。
自分の次の一段
私は【時間・場所・働き方・収入・専門性】のうち、___をもっと自分で選べるようにしたい。
守りたいのは___。今できる小さな工夫は___。
そのうえで、本を読む、開設の具体例を見る、今の仕事で工夫する、会社の外で小さく作ってみる、今は予定を増やさない。どれを選ぶかは、あなたが大切にしたいものに合わせて考えてみてください。
僕は、仕事の専門性を高めながら、自分で全体を設計する実験を続けます。結果がまだ出ていないことも含めて、次の判断に使えるよう記録していきたいです。
働き方について考えたあと、次に何を調べたり読んだりすればよいか迷う場合は、知りたいことを一度言葉にしてみてください。今何を知りたいかから本と情報を選ぶ方法では、欲しいのが考え方か具体的な手順かを整理し、本以外の情報も含めて選ぶ進め方をまとめています。

参考資料
書誌・成立経緯・目次:版元ドットコム。原著の関連章は本文中に掲載しました。原著の英訳は関連する議論の照合に用いており、大谷禎之介訳のP.79以降の文章を転載・引用したものではありません。

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